不動産AM会社・リート資産運用会社への転職
7.まとめ
1.不動産AM会社への転職は難しいのか
簡単です。
一般に、不動産AM会社へのAM未経験者の転職というと、PM会社や金融系からの転職が多くなっています。
動機としては、私のヒアリングと偏見によると、
・自分がAMにいじめられていたので上の立場に行きたい
・AMのほうが給料がよさそう
・PMに飽きたので身近で楽しそうなAM会社に行きたい
・地味な仕事はもう嫌だ
というあたりです。
では、実際にAM会社としてはどんな採用基準なのかと言えば、
金融か不動産経験者で人当たり良さそうでまじめそうで給料安く働いてくれればそれでOKです。
この給料安くというのがポイントで、高給を求める人にはもちろん専門性が求められます。不動産でファンドマネジャーと呼ばれたいのであれば経験と実績が必要でしょうし、ある程度実績があるならビズリーチに登録してよさげなのを選べば問題ありません。
でも、30歳で年収600万程度でいいなら、AM未経験でもPMやBM経験があればそれでいいという会社は少なくありません。
AM会社の多くが大企業の子会社です。
不動産会社、メガバンク、信託銀行、証券会社と色々ありますが、その大企業にとっては30歳600万は安いんです。でも、世間の多くの不動産屋にとっては十分な金額でしょう。さらに、30歳で600万を超える企業、例えばメガバンクの人間は転職してきません。給料下がるから。
そのため、中小不動産会社や地銀の人間しか受けに来ないので、AM会社としても贅沢なことは言わずに採用しているのが現状です。
AM未経験者ですからいわゆるポテンシャル採用となりますので、年齢としては28歳から35歳くらいまでを対象とせざるを得ないですが、ここに当てはまる人であれば全ての不動産・金融業界の人にAM会社への道は用意されていると言っていいです。
以上、AM未経験でもAM会社への転職は簡単。ただし、年収600万以下に限る。
というところでしょうか。
2.不動産AM会社の仕事は難しいのか。
簡単です。
とは言い切れませんが、上記のように年収600万以下で入社する人は簡単な仕事から始まります。
PM経験者にはわかると思いますが、AMのくせにこんなことも知らないのか、チェックするだけでいい仕事だな、明らかに工事の承認手続き忘れてただろうとか、そんなことを思っていたときのAM会社側の仕事が待っています。一方で、部署によっては書類作成業かってくらいに、デスクワークだけになりますので、外出が好きで不動産屋になった人には苦痛だと思います。アクイジションでも不動産屋と比べると作成資料は多くなっており、デスクワーク嫌いな人には多分無理です。
アセットマネジメントはあらゆることに気を遣い、慎重に、正確に。
人間だからミスもするとかそういう話ではなく、絶対に間違えないように何重にもチェックをし、スケジュール管理し、タスク管理をします。レポートくらいならどうとでもなりますが、行政や信託銀行への手続きを忘れていたとか、有報への掲載事項が間違っていたなんてことは絶対にあってはいけません。
このあたりは性格もありますので、向かなそうな人は無理しない方がいいです。
もちろん、アクイジションやCM担当として入社すればある程度許容されますが、守秘義務やら社内情報の持ち出しやら不動産屋ではあり得ないレベルでうるさいことを言われるようになりますので、細かいことが嫌いな人はやめておいたほうがいいです。
例えばですが、メールを誤送信すると毎回金融当局に報告しなければならず、社内的にもかなり怒られます。
このあたりは本当に厳しいです。正直面倒に思っています。
以上、AM会社の仕事は簡単。ただし、デスクワーク得意な年収600万以下の人に限る。
3.不動産AM会社の求人の探し方
dodaとパソナキャリアをおすすめします。
この2社は登録しなくてもある程度情報を開示しており、とくに募集年収も開示しているところに好感が持てる上、身の回りでもこの2社が多いです。パソナは派遣での付き合いも多いため、各社に営業できているようです。dodaはリート業界に謎に強いです。理由はわかりませんが、dodaで募集して雇えたからまたdodaで募集するという好循環が続いているのでしょう。
登録してWEB履歴書とか自己PRを記入すると、色々と求人紹介が届くようになります。その中には非公開情報もあれば、dodaを通してエージェントからメールが届いたりと、なかなか面白いです。あと、結果的に転職しない場合でも、自分に需要があるんだと思うと心の支えになります。そのため、私は転職後でもそのまま登録したままにしており、資格や年収を適宜更新しています。
登録しないまま情報を見る場合には、不動産AM会社だと主に以下のカテゴリーに入っています。
不動産金融・不動産ファンド業界の求人・転職情報|パソナキャリア
ただ、残念なことに、しっかりとカテゴリー登録されていないこともありますので、検索の際には、【不動産金融】【アセットマネジメント】【アセットマネジャー】【リート】【投資法人】といったワードで探してください。
入社時期を定めていない会社が多いのものの、なんだかんだで4月入社と10月入社前提での募集が多くなっていますので、それに合わせてまず初めの転職活動として、登録してWEB履歴書を書くところから初めてはいかがでしょうか。
4.不動産AM会社の求人条件で見るところは
以下、管理人千葉の思う重要なところです。人によって違うと思います。
・年収
言うまでもありません。
・残業代
見込み残業の会社が多いです。何時間まで含まれるか確認してください。
・住宅手当
賃貸に住んでいる人にとってはあるとないとでは大違いです。どこの会社にもあると思ってる人もいるようですが大間違いです。月数万円以上変わってきますので、詳細がわからない場合には最重要確認事項となります。
・勤務時間
ブラックな不動産業界にいると見落としがちなのが勤務時間です。7時間や7.5時間の会社がざらにあるのがAM会社です。8時間の会社から7時間の会社に転職する場合には、月に20時間以上得をしており、見込み残業が40時間なら実質見込み残業は20時間でしかありません。
・募集職種
雇われないと始まらないので、その会社が求めているものに合うものが少しでもあったほうが望ましいです。
・年間休日
やっぱり120日はほしいです。
・転勤の有無
転勤が無い割に大企業並みに給料がもらえる数少ない業界ですが、グループ会社が多い場合には出向させられる可能性が残ります。
・退職金
新しいAM会社だとあまり見たことが無いですね。諦めましょう。
5.不動産アセットマネジャーに必要な資格
別ページで書いていますのでそちらでご覧ください。
6.リートの資産運用会社が特にお勧めな理由は?
落ち着いてAM業務の勉強ができるからです。
REITの資産運用会社ではとにかく投資家(投資主)の利益が第一であり、変にリスクを負うようなことはあってはならないため、REIT以外の業務が制限されています。最近儲からないからマスク売ってこいなんてことは金融庁が許しません。
さらに、資産運用報酬は投資法人の資産残高に一定の割合をかけた金額が保証されているため、確実に収益を上げることができます。最近では利益連動報酬も取り入れていますが、食いっぱぐれの無いことに代わりはありません。
一方で、REITの資産運用会社だと不動産特定共同事業法とかSPC立ち上げたりとか今流行りのセキュリティトークンとかそういういかにも不動産証券化な仕事や話題の分野は業務外となってきます。そのため、仕事をしてみて物足りなくなったら給料をもらえる勉強期間と割り切って、3年経ったら次の会社に転職してはいかがでしょうか。
以上、AM未経験からAMへ転職する人にはREITの資産運用会社を特にお勧めします。
7.まとめ
若いうちなら気軽に転職できるのが不動産AM会社です。
今は私募REITの運用会社が毎年増え続けており、AM経験者だけでは人が足りません。1社目でARESマスターを取りつつ数年間AM業務に携われば、次はAM経験者として転職できます。
ぜひAM業界、特にリートの資産運用会社へ応募してみてください。
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