REIT(リート)は、不動産投資信託(Real Estate Investment Trust)の略称で、多数の株式でポートフォリオを組むいわゆる投資信託同様に投資家から集めたお金で、オフィスビルや住宅、商業施設等を購入し、その家賃収入や売却益を投資家に分配する仕組みです。
投資信託の不動産版であり、集めたお金で不動産を買う。
そして不動産関連以外に金を使えない。
そんな仕組みです。
日本では「不動産投資法人」という「ハコ」で不動産や信託受益権等を所有するスキームにより資産運用会社の資産と分離し、投資家の資産を保護しています。
REIT(リート)ではその利益の90%超を分配することで法人税を回避できることになっており、多くのREITは賃貸収入に関する利益の100%を分配しています。
(引用:https://www.toushin.or.jp/reit/about/scheme/)
REIT(リート)には上場REITと非上場REIT(私募REIT)があります。
上場REITはJAPANのJをつけた「J-REIT」が正式名称となりますが、後述する私募REITは機関投資家のみ対象となるため、通常はそのままREIT(リート)と呼んでいます。
当初はオフィスビル中心でしたが、最近ではオフィスや住宅のような伝統的な不動産のほかに、物流施設や老人ホーム、病院といった不動産もREITに組み入れられています。(太陽光はJ-REITとは別枠でインフラファンドというカテゴリーになりますが、似たようなスキームで運営されています)
中でも物流セクターの成長は著しく、主に物流施設に投資するREITだけでも11投資法人を数え、2020年3月時点で、取得価格ベースではオフィス、商業に次ぐ第3位の規模となっています。
J-REIT市場は2001年9月にオフィスREITが2つ上場されてから順調に規模を拡大しており、現在では63投資法人が上場し、取得価格ベースで合計19.5兆円の不動産等を所有しています。
(オフィス8.0兆円、商業3.4兆円、物流3.2兆円、住宅2.8兆円、ホテル1.6兆円、ヘルスケア0.2兆円、その他0.2兆円)
非上場REITは私募REITと呼び、機関投資家向から資金を募り、非上場で運営しています。
日々の投資口価格の変動にとらわれないことがメリットとなっているほか、上場REIT同様に税制上の優遇を受けており、利益の90%超を投資家に分配することにより法人税の支払いを免れることができます。もっとも、受け取った分配金には法人税が課されることとなるため、あくまでも二重課税の回避が目的です。
2020年3月には上場REITが暴落し、原因として地銀が保有していた投資口の投げ売りが挙げられていました。REITの下落自体はアメリカからの波及ですが、地銀の損切りルール等により、売りが売りを呼ぶ展開となり売りが止まらなくなりストップ安が続出したとのことです。私募リートの投資口価格は鑑定評価額により決定するため、上場リートのような突発的な上下動が発生しないことが、上場リートと比較したときの私募リートの最大のメリットです。
まとめ
・REITはお金を集めて不動産を買い、賃貸収入等を分配する仕組み
・REITは法人税を払っていない
・普段はあまりJリートと呼ばない
・上場REIT全体で約20兆円の不動産を所有している
REITの利益分配というか、分配金(配当金)の作り方を簡単に。
投資家 100万+借入れ 100万 = 不動産 200万
不動産の利回り4%(減価償却後)
不動産の運用利益 200万×4%=8万
AMフィー+金利+スキームのコスト等 3万
分配金 8万-3万=5万
利回り 5万÷100万=5%
昨今の低金利のもとでは借入れ比率を80%とかに上げると効率がよくなりますが、J-REITの場合には借入比率(LTV)を50%に抑えるのが原則になっていますので大体こんな感じです。
保守的に運用する方が機関投資家の受けがよく、金融機関との借入れ交渉もやりやすく、運用会社としても気楽なため、借入比率を40%くらいに抑えようとするREITが多いです。
借入比率を33%に下げた場合には以下のような想定となります。
投資家 100万+借入れ 50万 = 不動産 150万
不動産の利回り4%(減価償却後)
不動産の運用利益 150万×4%=6万
AMフィー+金利+スキームのコスト等 2万
分配金 6-2万=4万
利回り 4万÷100万=4%
投資家から見ると、リターンが1%しか変わらないのに、万が一の備えが厚いです。いざというときにはあと50万くらいすぐに借りられるということなので。
REITはAMフィーや各種コストがかかっており、レバレッジも最大2倍しかかけていないため、それ自体はすごく儲かるというわけではありません。また、不動産価格の上昇局面では売却益も期待できますが、あまりあてにできるものでもありません。
あくまでも、一個人では買えないような不動産や、運用できないような不動産を間接的に購入することができることに意味があります。
以上、取得のプレスリリースを見ると利回り4%(償却後NOI利回り)で、借入れもしているのになんで投資法人の利回りも5%なんだって思う人が必ずいると思いますのでその説明として。
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
1   | 2   | 3   | 4   | 5   | 6   | 7   |
8   | 9   | 10   | 11   | 12   | 13   | 14   |
15   | 16   | 17   | 18   | 19   | 20   | 21   |
22   | 23   | 24   | 25   | 26   | 27   | 28   |
29   | 30   | 1   | 2   | 3   | 4   | 5   |